通信制高校とは、基本的に毎日学校に通う必要がなく、郵送やパソコン通信などを活用して単位を取得していく学校です。通信制高校の特長を紹介します。※通信制高等学校は「通信による教育を行う課程」(学校教育法第4条)と規定された、高等学校通信制課程のことです。
通信制高校とは、全日制高校や定時制高校とは異なる方法で高卒資格を取得できる高校です。
全日制高校や定時制高校とは、平日の日中や夜間に学校へ登校し、単位を取得していく形式の高校です。一方で通信制高校は、毎日学校へ登校する必要はなく、レポートやテストを郵送やパソコン通信で行うことによって高卒資格を取得します(ただし年に一定期間「スクーリング」という面接指導があります)。
このような特長があるため、自身のライフスタイルに応じて学習計画を立てられる点が通信制高校のメリットといえます。そのため通信制高校に通うのは、働きながら高卒資格取得を目指す人、何らかの事情で高校を中退したり転校したりした人、発達障害や不登校などで全日制高校に通いづらい人などさまざまです。さらにスポーツや芸能活動など、学業以外の活動に専念したい人も、通信制高校を選ぶことがあります。したがって生徒の抱える事情や年齢が多様であることが、通信制高校の特長といえます。
通信制高校を卒業するために必要な条件は?
通信制高校は、全日制高校や定時制高校と異なり学校に毎日通わなくても良いため、卒業のためには別の条件が用意されています。
高卒の条件としてまず学校教育法によって定められているのは、3年以上高校に在籍すること、必修科目を含めて74単位以上を取得すること、特別活動への参加です。通信制高校でもこの条件が適用されますが、在籍期間は3年以上でも、実際に学校へ通う日数は少ないことが特長です。登校日数は学校によって異なりますが、週に数回から年に数回学校へ行き、学習状況について面談を行ったり分からないことを質問したりするスクーリングを実施します。その他の時間は自宅や学習センターなどで勉強しながら、所定のレポートを提出してテストを受験し、必要な単位を取得していきます。レポートは履修科目数により異なりますが、無花果高等学園では月に1本前後です。レポートとスクーリング、テストの成績の結果、一定の評価基準に達した場合に単位取得となります。そして単位が必要数を満たした時点で、高卒資格が与えられることになります。
通信制高校で得られる高卒資格は、全日制高校や定時制高校で得られる高卒資格とまったく同じものです。したがって通信制高校で高卒資格を取得した場合、学歴は「高卒」となります。
一方で通信制高校などの高校に一切通わない場合は、高卒認定試験を受けて「高卒認定」を取得することができます。これは「高校卒業者と同等もしくはそれ以上の学力がある」と認められるもので、1年に2回程度実施されている試験に合格すれば誰でも取ることができる資格です。しかし注意したいのは、最終学歴は「中卒」となること。ただし履歴書に高卒認定資格を持っているという記載はできます。
そのため全日制高校や定時制高校などに毎日通うのが困難であるものの、高卒資格は必要だという場合に活躍するのが通信制高校だといえます。就きたい職業などの将来設計をしていく中で、高卒資格を持っておいた方が良いと判断される場合、通信制高校は大きな選択肢となるでしょう。
単位制とは?
高卒資格を得るための条件の1つは、必須科目を含む74単位以上を取得することです。
単位制とは、通信制高校や一部の全日制高校、定時制高校で導入されている制度です。
高卒資格を得るための条件は、学校教育法によって決められており、その中に「必須科目を含む74単位以上を取得すること」というものがあります。単位制は各科目に単位が設定されており、3年間の在籍と必要単位数を満たせば卒業できるという制度です。
大半の全日制高校や定時制高校とは異なり、学年という概念が薄く、場合によっては必要単位を取得するまでに4年以上かける人もいます。単位制のメリットは、学年にとらわれず一人ひとりのペースで科目を履修できることであるため、働いていたりスポーツに専念していたり、また不登校などで学校に通いづらかったりする人にも適しているといえます。
全日制高校や定時制高校から、単位制の通信制高校に転校するという場合でも、元の学校で取得した単位を学校の判断によりそのまま引き継ぐことができるため、家庭事情や生活スタイルの変化に応じて単位制に移行することも可能です。
単位制は学年を気にせず自分のペースで学習や自分の興味のあることに時間が使えること、学年制は学校で単位を取得していくことが、それぞれの特長です。高校生という時間をどのように使うか、将来のために何をするかを判断して高校を選ぶことが重要です。単位制でも学年制でも、得られる高卒資格は同じであるため、一人ひとりの性質に適した制度を利用することがおすすめです。
サポート校って何?
サポート校は、通信制高校に通う生徒を支援するために設けられた学びの場(教室)です。大きな駅など、交通の便が良い立地にあることが多く、講師やカウンセラーが所属しています。通信制高校と同時に入学するパターンが多いですが、気をつけたいのは別途学費がかかることです。
通学日数は週1~5回程度まで、サポート校ごとにさまざまです。サポート校の目的は、通信制高校を3年で卒業するための支援を行うことであるため、学習支援のための授業を行ったり、学習計画の相談に乗ったり、精神的なケアをしたりします。
多様な事情を抱えた生徒たちに対応するためのカウンセラーが所属し、きめ細やかなサポートを行っている場合があります。通信制高校では学校に通う機会が少ないですが、サポート校に通うことが友だちづくりにつながることもあります。
通信制高校とサポート校の違いとして、運営主体が異なるという点もあります。学校教育法によって認可されている全日制高校や定時制高校、通信制高校は、主に公立と私立に分かれています。公立の場合は都道府県や市区町村などの地方自治体が運営主体となっており、私立の場合は学校法人が運営主体となることが多いです。この運営主体の違いのために、公立と私立では学費や校則、校風などに差がみられます。
一方、サポート校は民間の教育機関です。通信制高校を運営する学校法人がサポート校を設置していることもありますが、塾や予備校を運営する民間法人が運営していることもあります。そのためサポート校ごとに、支援内容や学費にばらつきがあるのです。サポート校を利用する際には、よく比較検討してみてください。
無花果高等学園は島根県の益田永島学園と提携したサポート校です。